先日、映画『トイ・ストーリー5』を観てきました。
一言で言うと、「すごく良かった!すごく面白かった!」に尽きます。
今回は、2人(1歳と4歳)の子を持つ父親としての視点も交えつつ、感じたことを整理してまとめてみようと思います。
過去作へのオマージュとクスッと笑える演出
まずシリーズファンとして嬉しかったのが、過去作へのオマージュやパロディが散りばめられていた点です。
ジェシーが新参者のおもちゃである「リリーパット」と出会うシーン。リリーパットをベッドの上に乗せる描写は、初期のウッディとバズの関係性を彷彿とさせ、思わずニヤリとしてしまいました。
また、終盤のバズのシーンも秀逸でした。1作目の名セリフ「飛んでいるんじゃない、落ちているだけだ、かっこつけてな」をパロディ化した演出になっており、過去作を知っているとクスッと笑える見事なオマージュでした。
さらに、50体のバズに向かって、ダニーのおもちゃのバズが「ザーグはパパだ」と言い、みんなが「嘘だー!」とリアクションするシーンも、ファンにはたまらない名場面です。
主題は「デバイス(スマホ・SNS)と子供の距離感」
今作の大きなテーマの一つが「デジタルデバイスと子供の関わり方」です。
親として日々悩んでいるテーマでもあるため、非常に身につまされる描写が多くありました。デバイスに夢中になるあまり何もできなくなってしまう様子など、「こうはなってほしくないな…」と感じるリアルな怖さがありました。
デバイスは「絶対悪」ではない
一方で、作品全体を通してデバイスを「絶対悪」として描いていなかったのは非常に好印象でした。
SNSを通じて同じ趣味を持つ友達と出会えるというポジティブな側面や、ごっこ遊びの中にBGMを流して雰囲気を演出したり、「写真撮ろう!」と楽しい瞬間を保存・共有したりする描写がありました。
このように、現代的なツールの良い面と悪い面が絶妙な塩梅で描かれていたと感じます。
刺さりすぎる「親たちのスマホ依存」に対する皮肉
劇中に登場する親たちの描写も非常に印象的でした。運転中以外は、しつこいほどずっとスマホを手にしているんですよね。
キャンプに向かう時も買い物中もスマホ。子供には「画面ばかり見てはダメ」と言いつつ、大人自身もスマホ中毒になっているような姿は、ディズニーらしい強い皮肉が効いていて非常に面白く、ハッとさせられました。
文字だけのSNSコミュニケーションは、発信側も受け手側も感情が伝わりにくく、子供にはまだ難しいもの。相手の表情が見えないからこそ傷つけてしまったり、冗談を真に受けたりしてしまうリスクがあります。だからこそ、親がしっかり見極めて関わっていく必要があると痛感しました。
ボニーの表情描写とアニメーションの進化
今作で特に圧倒されたのが、ボニーの表情の描写です。
引っ込み思慮深いボニーが、車内で心ない言葉を言われた時の表情、おままごとを笑われた時の表情、親と話している時の表情……。心の揺れ動きが本当に細かく描写されていて、「この映画を作った人は、本当に日頃から子供を観察しているな」と感心させられました。
『トイ・ストーリー1』のアンディの頃の作画と比べると、技術の進化には本当に驚かされます。
ジニーの成長と、おもちゃの買い与え方
作中での「ジニー」の心の成長も素晴らしい見どころでした。
「また捨てられてしまうんだ」という自分本意な感情から、「必要な時に寄り添って一緒にいることが大切なのだ」という考え方へ変化していくプロセスには胸を打たれました。
子供の成長に合わせて、おもちゃを卒業する時期は必ずやってきます。しかしそれは「雑に扱う」ということではなく、フリマアプリなどで次の子供へ受け継がれていくように、「その時の成長に合ったおもちゃを与える」ことが親の役割なのだと改めて意識させられました。
映画に登場する「3つのタイプの親」
作品を通して、親のタイプが大きく3つに描き分けられていたと感じます。
1つ目は、デバイス任せの親。完全に画面に没頭させ、子供が沼にハマってしまっているタイプです。
2つ目は、悩んでいる親(ボニーの親など)。デバイスは良くないと思いつつも、時代の流れで買い与えてしまい、子供の想像力の機会を奪ってしまうタイプです。
3つ目は、デバイスと上手く付き合っている親。キャンプ場にいた家族のように、デバイスを持ちつつも支配されず、自然の遊びや夜の絵本の読み聞かせを大切にしているタイプです。
キャンプ場の家族の子供は、大人がスマホに夢中で気づかなかった落ちているバズに気づくほど、観察力や注意力が自然に向いていました。私自身、目指すべきはまさにこの「3つ目の親の姿」だなと感じています。
また、ボニーが新しく友達になった女の子(ブレイズ)が、馬や豚といった動物たちと日常的に触れ合っている描写も非常に魅力的でした。動物との触れ合いは子供の感情や想像力を豊かにするため、我が家でも今後取り入れていきたい環境です。
少し気になった点
全体を通して大満足の作品ですが、強いて気になった点を挙げるなら声優陣の変更です。
『1』『2』から観てきた身としては、ハム、ポテトヘッド、スリンキーなどの声優交代による違和感は少なからずありました。セリフ数がそれほど多くないため観進めるうちに気にならなくはなりますが、初期からのファンとしてはどうしても目についてしまった部分です。
また、文字が読めない4歳の長男と一緒に観に行ったのですが、画面上の文字(SNSのメッセージやり取りなど)を読むシーンが多いため、小さな子供には少し内容の理解が難しい印象を受けました。
アクションシーンなどは楽しめますが、ストーリーをしっかり理解して楽しめるのは小学生以上、あるいは1〜3を観て育った「親世代」ターゲットの作品と言えるかもしれません。
まとめ
『トイ・ストーリー5』は、おもちゃの物語でありながら、現代のデジタル社会における「親と子のあり方」を深く考えさせてくれる素晴らしい映画でした。
もう一度映画館に足を運びたいと思える完成度です。まだ観ていない方は、ぜひ劇場で体感してみてください!

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