親族経営の会社に二代目として入社した直後、
「会社を良くしたい」「早く変えたい」と考える人は少なくありません。
しかし、改革を急ぐことで、
かえって現場との関係が悪化し、
思うように物事が進まなくなるケースも多く見られます。
本記事では、
異業種から家業に入った二代目の実体験をもとに、
なぜ改革を急ぐと失敗しやすいのか、その理由を整理します。
改革を急ぎたくなる二代目の立場
二代目は、
外部での経験や新しい知識を持って会社に入ることが多くあります。
- 前職では当たり前だった仕組み
- ITツールや業務改善の手法
- 効率化や合理化の考え方
こうした要素を、
「早く会社に取り入れたい」と考えるのは自然なことです。
特に、
入社直後は「何か成果を出さなければならない」という
焦りも生まれやすくなります。
社内での発言権がない状態での改革
二代目が改革を急いでしまう最大の理由の一つは、
社内での発言権がまだ十分にない状態で動いてしまうことです。
現場の業務を深く理解する前に、
新しい仕組みやルールを持ち込むと、
従業員側には次のような感情が生まれやすくなります。
- なぜ今それを変える必要があるのか分からない
- 現場を分かっていないのではないか
- 上から押し付けられているように感じる
結果として、
改革そのものよりも、
「誰が言っているか」が問題になってしまいます。
外から見た会社と中にいる人の認識の違い
二代目が改革を急ぐ背景には、
会社に対する認識のズレもあります。
外部から見ると、
労働時間や給与水準、業務の非効率さなどが
課題に見えることがあります。
しかし、
長年働いている従業員は、
現状に一定の満足感を持っている場合も少なくありません。
外からの視点だけで
「不満が多いはずだ」「変えた方が良いはずだ」と判断すると、
現場との温度差が生まれやすくなります。
論理だけでは動かない現場
改革案そのものが、
論理的に正しく見える場合でも、
現場が動くとは限りません。
特に、
現場では感情が大きな要素を占めます。
- 長年続けてきたやり方への思い
- 自分たちの仕事を否定されたような感覚
- 将来への不安
こうした感情に配慮せず、
論理だけで改革を進めようとすると、
反発や抵抗につながりやすくなります。
「社長の息子」という立場が与える影響
二代目は、
「社長の息子」「親族」という立場で見られがちです。
そのため、
現場では次のような警戒心が生まれることがあります。
- 何を言っても社長に伝わるのではないか
- 不利な評価をされるのではないか
- 大きな改革を持ち込まれるのではないか
この状態で改革を急ぐと、
意見が表に出にくくなり、
本音が見えないまま進んでしまいます。
実務能力が信頼を生むまでには時間がかかる
改革を進める前に必要なのは、
現場で一人前になることです。
- 現場の仕事を理解する
- 同じ業務を同じ水準でこなす
- 困ったときに頼られる存在になる
こうした積み重ねが、
社内での発言権や信頼につながっていきます。
実務能力によって信頼を得るまでには、
一定の時間が必要です。
改革は「信頼の後」に始まる
二代目が改革を成功させるためには、
順番が重要になります。
- 現場を知る
- 実務で信頼を得る
- 小さな改善から始める
この順番を飛ばしてしまうと、
改革は進みにくくなります。
急がず、
まずは現場の一員として受け入れられることが、
結果的に近道になる場合もあります。
まとめ
二代目が改革を急ぐと失敗しやすい理由は、
能力や意欲の問題ではありません。
- 発言権がない段階で動いてしまう
- 現場の認識や感情を十分に理解できていない
- 信頼が形成される前に変化を求めてしまう
こうした要因が重なることで、
改革が空回りしてしまいます。
改革を進める前に、
まずは現場での信頼を積み上げること。
それが、
二代目として会社を変えていくための
土台になると考えられます。


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