零細企業の2代目として家業に入ったとき、最初に感じた悩みと違和感

零細企業の2代目として家業に入る、という選択は、外から見ているほど単純なものではありません。

私は33歳、既婚で0歳と3歳の息子がいます。
父が創業して30年以上続く、従業員15名ほどの会社に入社し、現在は取締役として働いています。

この記事では、
「家業に入った直後、何に一番悩み、どんな違和感を抱えたのか」
について、実体験をもとに整理してみます。

成功談ではありません。
今も答えが出ていない部分も含めて、そのまま書きます。

なぜ私が家業に入ることを選んだのか

大学卒業後、私はコンサルティング会社で4年間働いていました。
中小企業のオーナーと日常的に接する仕事で、地方・都市問わずさまざまな会社を外から見てきました。

家業に入る前から、

  • 継ぐなら早い方がいい
  • 外での経験も必要だ

という考えはありました。

一方で、前職では他の社長から声をかけていただくこともあり、
条件面だけを見れば、外でキャリアを続ける選択肢も十分にありました。

それでも最終的に家業に戻ったのは、
「一度は自分の意思で向き合ってみないと、後悔する」
と思ったからです。


入社して最初に感じたのは「疎外感」だった

家業に入って、最初に強く感じたのは期待ではなく、疎外感でした。

私が入社した当時は27歳。
従業員の平均年齢は50歳を超えており、同世代は一人もいませんでした。

前職ではITツールやチャットが当たり前だったのに、
現場では紙への記入や電話連絡が中心。
文化もスピード感も、まったく違います。

さらに、自分が「社長の息子」であることは、言わなくても伝わります。

  • 甘えていると思われていないか
  • 親の七光りだと思われていないか

そうした不安が常にありました。


父(社長)との関係が一番の不安だった

仕事以上に不安だったのは、父との関係です。

正直に言うと、大学を卒業するまで、父と特別仲が良かったわけではありません。
家業に戻るまで、深い会話もあまりありませんでした。

父は昔から、

能力のないやつに継がせる必要はない
自分の代で会社は終わりでいい

というようなことを言う人でした。

その言葉を、以前の私は
「自分に継がせる気はないんだ」
とネガティブに受け取っていました。

家業に入る前、父と二人で食事をし、
「戻りたい」と正直に伝えたとき、
父が少し嬉しそうな表情をしたのが、今でも印象に残っています。

最近になって、あの言葉は
「能力があれば、お前に継がせたい」
という意味だったのかもしれない、と思えるようになりました。


仕事そのものより「逃げたと思われること」が怖かった

家業の仕事は、前職とはまったく違いました。
現場に出て、体を動かし、泥臭い作業もあります。

「そんなこともできないのか」
といった言葉を向けられたこともあります。

正直、悔しかったです。

それ以上に怖かったのは、
数年で辞めて「逃げた」と思われることでした。

自分で選んで入った以上、
中途半端に諦めることだけはしたくない。
それは、自分自身が一番許せないことでした。


外から見ていた会社と、中に入って分かった現実

コンサル時代、私は多くの会社を「外」から見てきました。
改善の余地や課題も、客観的に見えていました。

しかし、実際に中に入ると、
変えることの難しさを痛感します。

  • 情報共有のスピード
  • 改善に対する心理的ハードル
  • 社長と現場の板挟み

私はいつの間にか、
現場の声を社長に伝え、
社長の考えを現場に伝える
**「橋渡し役」**のような立場になっていました。

簡単な役割ではありませんが、
このポジションに意味があるのだとも感じています。


今、少しだけ整理できていること

入社して数年が経ち、
仕事に慣れ、責任を任される場面も増えてきました。

従業員からも、少しずつですが
「仲間」や「将来の承継者」として
見てもらえている感覚があります。

父との会話も増え、
以前より関係は良くなったと感じています。

周囲の「甘えだ」という声についても、
今は
「そう思う人もいるだろう」
と受け流せるようになりました。

一番大切なのは、
この会社でなくても自分はやっていける
という自覚と覚悟を持てているかどうかだと思っています。


同じ立場で悩んでいる人へ

家業を継ぐかどうかに、
万人共通の正解はありません。

私自身、今も迷いがゼロになったわけではありません。

ただ一つ言えるのは、
焦って結論を出す必要はないということです。

もし可能なら、
まずは素直に親と話してみること。
それだけで、見え方が変わることもあります。

この選択を
「正解だった」と言えるかどうかは、
これからの行動次第だと思っています。


おわりに

この記事は、
結論を出すためのものではありません。

同じ立場で悩んでいる人が、
「自分だけじゃない」
と感じてもらえたら、それで十分です。

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