家業に入る前、私はコンサルティング会社で働いていました。
中小企業のオーナーと向き合い、
課題を整理し、改善案を考える立場にいました。
そんな自分が、
実際に家業という「現場の中」に入って感じたのは、
想像以上に大きなギャップでした。
この記事では、
元コンサルという立場だからこそ感じた
家業とのギャップについて、
実体験をもとに整理してみます。
※ 家業に入るまでの背景や判断については、
親記事「零細企業の2代目として家業に入ったとき、最初に感じた悩みと違和感」で書いています。
「分かっていたつもり」が一番の落とし穴だった
コンサル時代、
私は多くの会社を外から見てきました。
- 業務フローの非効率
- 情報共有の遅さ
- 改善が進まない理由
頭では理解していたつもりでした。
しかし、
いざ自分がその会社の一員になると、
分かっていたはずのことが、まったく別物に見えました。
改善スピードの違いに戸惑った
前職では、
「やる」と決まれば比較的すぐに動きます。
ツール導入、ルール変更、役割整理。
完璧でなくても、
まず試して改善する文化がありました。
一方、家業では、
- 「今までこうやってきた」
- 「現場が混乱する」
- 「それは時期尚早だ」
といった理由で、
一つの改善に時間がかかります。
合理的に考えれば正しい提案でも、
現場の納得がなければ進まない。
その現実に、何度もぶつかりました。
「正しいこと」が正解とは限らない
コンサル時代は、
論理的に正しいことを提示するのが仕事でした。
しかし家業では、
正しさだけでは人は動きません。
- 長年のやり方
- 個人のプライド
- 社長と従業員の関係性
こうした要素が絡み合い、
正論ほど反発を生むこともある
と知りました。
いつの間にか「板挟み役」になっていた
家業に入ってから、
私は自然と
社長と現場の間に立つ立場になっていました。
- 現場の不満を聞く
- 耳の痛い意見を社長に伝える
- 社長の考えを噛み砕いて現場に伝える
外から見ていたときには気づかなかった、
一番消耗する役割です。
それでも、この役割を通して、
「会社は論理だけでは回らない」
という当たり前の事実を、
身をもって理解しました。
外から見ていた方が、実は楽だった
正直に言えば、
外から見て提案する立場の方が、
精神的には楽でした。
責任は限定的で、
うまくいかなければ「次の案件」に進めます。
しかし中に入ると、
改善の結果はすべて
自分たちの問題として返ってくる。
その重さを知ったことで、
過去に見てきた社長たちへの見方も変わりました。
今は「できることからやる」視点に落ち着いた
今の私は、
一気に変えようとはしていません。
- 小さく試す
- 納得を作る
- 時間を味方につける
外で身につけた視点を、
そのまま持ち込むのではなく、
会社の文脈に合わせて使うことを意識しています。
それが、
元コンサルとして家業に入った自分なりの、
一つの落としどころです。
同じ立場で悩んでいる人へ
外の世界を知っているからこそ、
家業の遅さや非合理さが、
強く気になることがあります。
ただ、
その違和感は「間違い」ではありません。
大切なのは、
正しさを押し付けることではなく、
どうすれば一緒に進めるかを考えること
だと思っています。

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